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- ミライノミラノ -

日蝕、月蝕についての科学的なおはなし

本日3月9日はうお座の新月。そして日蝕です。

日本では部分日食となりますが、インドネシアでは皆既日食が見られます。

せっかくの日蝕なのに、あいにくの雨。雨というか、濃い霧に包まれています。

霧=海王星の象徴。海王星を支配星とするうお座での皆既日食の日に濃霧だなんて

実に見事なそれらしい事象の表れですね。

さて、いろんな占星術家の方がうお座日蝕についての記事を書かれたり

メルマガ配信をされていると思うのでその辺については他の方にお任せします。

私はすこし違う切り口から。。。

占星術は昔、天文学とともに発達した。という事実を思い起こしていただきたいので

今日は天文学の基礎的なお話しで、日蝕・月食のメカニズムについて書いてみます。

まず「日蝕」とは 英語で「Solar Eclipse(ソーラーエクリプス)」と言います。

Eclips エクリプス(イクリプスともいう)とは「日食、蝕」を表す英語で、

ギリシャ語で「力を無くすこと」という意味があるそうです。

「蝕む(むしばむ)」、という文字からも想像がつきますね。

で、地球と太陽の間に月が入ってきたとき、月によって太陽の光が遮られて

太陽が隠れてしまったように見える現象のことをいいます。

これは新月の時、つまり占星術的には太陽と月がコンジャンクション(0度)

になった時にしか起こらない特殊な現象となります。

ついでに月蝕も。

月蝕は「Lunar Eclipse(ルナーエクリプス)」といい、太陽と月の間に

地球が入ってきたときに地球の影が月面上に投影されて

月が暗く、消えてしまったように見える現象のことをいいます。

これは満月の時、太陽と月がオポジション(180度)の時にしか起こらない現象です。

ちなみに皆既月食の時は月は赤く見えます。この理屈は今回は割愛しますね。

で、日蝕&月蝕ともに「月の昇交点」と「月の降交点」の近くでしか起こりません。

皆既日食&皆既月食とは、ぴったりと正確に昇交点/降交点上で起こるとき、

太陽や月が完全に隠れてしまう現象をいいます。

これの分かりやすい図がWikipediaに載っていたので真似して描いてみました。

node

毎度ながら汚い字ですみません。

この月の交点は、白道(はくどう)といって月の通り道と、黄道という太陽の通り道

(実際には太陽は動きません。地球から見た見かけ上の通り道のことです)

が交差した点をいうのですが、月の通り道が南から北へ入る(上がる)点を

日本語で昇交点といい、英語ではAscending node アセンディングノード

またはNorth node ノースノード、あるいはドラゴンヘッドといいます。

そして月の通り道=白道が北から南へ入る(下がる)点を

降交点といい、またの名をDescending node ディセンディングノード、

またはSouth node サウスノード、あるいはドラゴンテイルといいます。

なぜこんなにたくさんの呼び名があるのかというと

ドラゴンヘッド/テイルは古代バビロニアの神話から来ていたり、

ノードに関しては学術的な専門用語が使われていたりしますが

これについてもいろいろお話の続きがあるのでまた後日。

で、普通の新月と満月は先述のとおり新月は太陽と月が0度、満月は180度の時に

それぞれ起こるのですが、この新月/満月が起こる場所が

ちょうど太陽と月の通り道の交差点上で起こると日蝕/月蝕が起こるのです。

この月の通り道である白道は、太陽の通り道に対して

(注:正確には地球の公転軌道ですが、便宜上見た目の印象を優先してそのように言います)

約5度の角度で傾斜しているので高さにズレが出ます。

イラストには分かりにくいのですが5度の差を書いています。

なので太陽と月と地球が一直線上に重なっても毎回いちいち蝕にはならないんですね。

だから交点=高さが同じになった点でしか日食月食が起こらないのです。

これはすごい偶然の重なりですよね!

ただでさえ天体同士が一直線上に重なったり、ぴったり反対側の180度になったり。

そこへお互いの交差点が重なるのですから、奇跡としか言いようがありません。

宇宙ってすごいなーーー。

この世のすべては本当に奇跡の連続だ ってことがうかがえます。

ついでに普通の新月と満月についての図も描いてみました。

moon2

moon1

いかがですか?下手なイラストですが少しはイメージがつかめましたでしょうか。

新月と満月のメカニズムのイラストでは、太陽と月と地球が一直線になって

1本の串におだんごのように均等に刺さっているように見えますが

すべて中心点を通っているわけではなく、それぞれ高さ(角度)が違うんです。

普通の新月では月が太陽よりも上下どちらかに高さがずれている。

大きさもかなり違いますからね。太陽がバランスボールなら、月はピンポン玉くらい小さい。
(比喩ですが、縮尺の比率は正しいかどうか不明)

高さが同じになると、月が太陽に一部かぶると部分日蝕になったり、

それぞれの距離や高さなど全ての条件が揃うと

不思議な事に小さな月が大きな太陽をすっぽり覆ってしまう。

これが皆既日食の仕組みなのです。

これ、私普段の生活の中で応用しています。

パソコンのディスプレイの高さを変えて、パソコン画面でテレビを隠しているんです。

普段、家で仕事していてダイニングテーブルにPCやら書類を広げているのですが

真正面に見えるテレビが視界に入って気が散ってうっとうしい。

パートナーは家にいる時ずっと映画やドラマなど一日中テレビを観ているんです。

ヘッドホンをしてくれてはいるのですが、やはり視界にチラチラと入ると気が散るので

ちょうどテレビが隠れる位置まで分厚い本を重ねて高さを上げてみました。

すると、小さなパソコンのディスプレイが大きなテレビの画面をすっぽり隠してくれる。

なので目の前の画面に集中できるのです。

これ、まさに皆既日食のメカニズムを応用した仕事術。(笑)

これに気が付いたとき、いつか皆既日食の日に絡めてアップしよう!

と決めていたので夢が叶って嬉しいです。グッドタイミングでしょ?(笑)

このように、できるだけ具体的な例を挙げて難しいこともかみ砕いて

分かりやすくお伝えできるように講座でもセッションでも心掛けています。

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