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- ミライノミラノ -

ラードでクラシカルな石けん

実は手作り石けんを趣味として嗜んでいるのですが、とうとう教室をやることになりました。
人間、インプットばかりでは成長しません。アウトプットしなければ知識は身につかない!!
との信念(?)のもと、記念すべき第1回目は
ラード(豚脂)を使った「基本のクラシカルな石けん」にしました。

なぜクラシカルかといいますと、そもそも石けんが誕生したのが
紀元前古代ローマ時代、サポーの丘の上で儀式用の羊を火であぶっていたところ
したたり落ちた脂肪が木の灰と混ざり、そこへ水が加わって
偶然石けんのようなものが出来上がっていたのです。
その不思議な塊が、汚れを落とすものとして大変珍重されたそうです。
なので、元々の石けんの由来は、動物の脂肪からでした。

これぞ本当の天然石けんですね!

そしてお気づきの方もおられるでしょうが、石けん発祥の地と言われるサポーの丘が
サポネ(イタリア語)、サボン(フランス語)、シャボン(ポルトガル語)、
そして日本でのしゃぼん、石けんになったそうです。

ラードで石けんというとなんだか動物性のものって皮膚に悪いような気がしますが、
まったくそんなことはありません。
今は植物100%がもてはやされる時代なので、
ラードというとナチュラル派の人たちから敬遠されそうですが、
植物だからアレルギーが出ない、とかお肌にやさしいというのはまったくの思い込みです。
植物だってかぶれますし、お肌にやさしいかどうかは別問題です。
アトピー肌の方は、むしろ精製されたラードの方が反応が出にくい。という報告もありますし。

それに、手作り石けんに欠かせない「固めるための(硬さを出す)オイル」として有名な
パーム油とラードは成分的にはほぼ一緒なんですよ。
動物性か、植物性か?の違いであって。

あとは、細かい話をすれば、ラードの方が真っ白い石けんになります。
対してパーム油は、やや黄色く仕上がります。
ピュアなイメージの石けん。真っ白な石けん。清潔感があって良いですね。
ラードはスーパーで200円くらいで売っていますから、パーム油に比べてお手軽ですね。
精肉売り場とか、とかバターやチーズのコーナーあるはず。
パーム油は普通に売っていませんから。

基本の石けんの材料としては、「オリーブ・パーム・ココナッツ」と覚えています。
オリーブはベースとなる油。パームは固形化させるための油。ココナッツは泡立ちのための油です。
パームはパームやしから採れますし、ココナッツはココヤシから採れます。
別の種類のやしの木なんですよ。

このオリーブ油の部分を、他の油に変えて好みの使用感にアレンジします。
オリーブが多いと、使い心地がベターっとして日本の夏にはやや重たいかも。
そんなときは、軽めの使い心地の米油や太白ごま油、マカダミアナッツオイルなどに一部差し替えます。

もちろんオリーブオイルを全部他の油に変えても良いのですが、
お値段の関係でメインをオリーブにしています。
そして冬場は逆にしっとり感のあるリッチなオイルを使ってみます。
シアバターとかホホバとか、ぜいたくに椿油やアルガンオイルなんかもおすすめです!

よくいう「キャスティール石けん」って、このラード100%か
オリーブオイル100%でできた石けんのことを言うのだそうです。
そして海水でも泡立つという「フィッシャーマンズソープ」(サーファーズソープ)は
パーム100%からできているそうです。

キャスティール石けんと普通の石けんとどちらが良いの?またはどう違うの?と聞かれますが、
良い悪いは無く、基本お好みで・・・としか言えなのですが
しいて言うなら、私は100%のキャスティールよりもいろいろ混ぜた方が好きです。
なぜなら、中に入れるオイルの成分を楽しめるからです。
(保湿成分UPとか、アンチエイジング効果があるとか)

それと、キャスティールは泡立ちのためのココナッツ油や、硬さのためのパーム油が入っていないので
やや泡立ちが悪く、溶け崩れしやすいので
お風呂で使う場合にはやはりいろいろブレンドしたオイルで作った石けんの方が
使用感が良いと思います。

話が逸れましたが、はじめての手作り石けんの第1回目は
こうした歴史背景を理由にラードとオリーブ油を使って古代ローマ人になった気分で(?)
楽しく開催したいと思います。

準備が整いましたら発表しますので、お楽しみに!

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