先日の講座で、イレクション占星術についてお話ししました。
イレクションというのは、元々古典占星術(ホラリーともいう)
の技法のひとつで、ホラリー占星術というのはまるでサイコロを振るように
とある質問をされた瞬間に作成したチャートの分析結果によって
Yes / No といった明確な答えを導き出す手法です。
たとえば、質問者が財布を紛失したとします。
そして占い師にこう尋ねます。
「失くした財布は見つかりますか?見つかるとすればどこにありますか?」
といった感じで、その瞬間にササッとチャートを出し、
シグニフィケーターといって財布を象徴する天体を決めます。
この場合は金星がそれに当たります。金星のアスペクトや品位を見て
見つかるか見つからないか、ただの紛失なのか
それとも誰かに隠されたのか?
あるとすればどこを探せば見つかりそうか、といったことを答えます。
つまり、こちら側としては答え(結果)を選べないのですが
イレクション占星術では未来に何らかの行動を起こす際に、
意図的に望ましい結果に近い日時を選ぶことができるのです。
よくある例が、お店の開店、会社設立、結婚式や入籍など。
佳き日に執り行いたいですよね!
その最適な日時を選ぶのが、イレクション占星術です。
それには今も昔も天文暦が欠かせないわけで
イレクション作業においては月のアスペクトが最も重要な意味を持ちます。
月には、ボイドタイムといって今いるサインから次のサインへ移動するとき
今のサインで最後に他の天体とメジャーアスペクトを形成してから
月が次のサインに完全に移行するまで(抜けきるまで)
の間の時刻のことを指します。
通常は数時間でボイドタイムは終わることが多いのですが
月の速度によっては日付をまたいで翌日になる場合もあります。
ほぼ1日中ボイドに入っていたり。
ボイドになると何がどうなるのかといいますと
ボイドとは VOID=無効 を意味しますので
その期間に新しいことを始めると、それは事を成さない。
計画が白紙になる、計画通りにいかない、無駄に終わる。
といった意味合いがあるので、この時間帯をなんとしてでも避けます。
これは統計を取って調べた人がたくさんいて、
たとえばアメリカの占星術家は、ボイドタイム中に買った洋服は
たんすの肥やしになる。結局着ないままフリマに出したり
いつか着るかもと思ってずっと置いているだけになりがちだという
データを出しています。
あとはこれもあまり断定はできないのですが、
ボイドタイム中に整備した飛行機は不備が多いとか
でもこれもあくまでも100%そうなる!というわけではないので
このボイドタイムはいつ?を調べるのに天文暦が必要なんです。
今は便利なアプリがたくさんあるので、安くて見やすいものが良いです。
私はずっと真弓香さんのアストロアジェンダを愛用していますが
単にボイドタイムだけでは満足できず、ラストアスペクトが知りたくて
ついに天文暦アプリを入手。それがiPhemeris です。
ラストアスペクトは、月がそのサインの中で他の天体と最後に
形成したアスペクトのことを言い、これが最終結果をあらわす。
とされているので、非常に重要視されます。
ラストアスペクトは、月がそのサインにある間に始められたことに対して、なので
月が次のサインに移動してしまうと、また別の作用が働きます。
実は、ここまでを(ここまでで)考慮するだけでよい、となっていますが
占星術家によっては次のサインに移ってから最初に作るアスペクトの方が大事だ。
という考え方もあります。
むしろ、ラストアスペクトは物事の始まりの状態を表し、
月が次のサインに入ってから初めてのアスペクトの方が
事の成り行きの最終結果をあらわす。という理論です。
そうなると、ラストアスペクトなのかファーストアスペクトなのか??
言葉の微妙な違いでとっても混乱しやすいのですが
落ち着いて考えるとだんだん分かってきます。
私はファーストアスペクトではなく、ファイナルアスペクトだと習いましたので
余計にわけが分からなくて古典(ホラリー)は苦手でした。
とにかく、両方とも肯定的なアスペクトがある日にした方がいいってことですね。
でも、できれば**アスペクトの方を優先して!!という鉄則もあります。
どうして○○アスペクトの方が重要なのか?という事について
講座で実例を挙げながらお伝えしていきます。
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